著者のコラム一覧
天野篤順天堂大学医学部心臓血管外科教授

1955年、埼玉県蓮田市生まれ。日本大学医学部卒業後、亀田総合病院(千葉県鴨川市)や新東京病院(千葉県松戸市)などで数多くの手術症例を重ね、02年に現職に就任。これまでに執刀した手術は6500例を超え、98%以上の成功率を収めている。12年2月、東京大学と順天堂大の合同チームで天皇陛下の冠動脈バイパス手術を執刀した。近著に「天職」(プレジデント社)、「100年を生きる 心臓との付き合い方」(講談社ビーシー)、「若さは心臓から築く 新型コロナ時代の100年人生の迎え方」(講談社ビーシー)がある。

しっかりした眠りが心臓を守る 不足すると発症リスク上昇

公開日: 更新日:

「春眠暁を覚えず」という言葉もあるように、春は眠りの季節でもあります。3月18日は「春の睡眠の日」だそうです。睡眠は心臓とも大きく関わっているので、しっかり覚えておきましょう。

 厚生労働白書によると、一日の睡眠時間が6時間未満の場合、狭心症や心筋梗塞の有病率がアップするといいます。また、5時間以下では心臓疾患の発症率が上昇し、4時間以下になると冠動脈性心疾患による死亡率が上がることもわかっています。7~8時間未満の人と比べると、2.08倍に当たる数字です。

 また、米ハーバード大の研究では、5時間以下の人は、8時間以上の人よりも心臓病リスクが1・45倍。米国で行われた他の研究でも、6時間未満のグループは心臓発作の発症リスクが2倍、うっ血性心不全の発症リスクが1.6倍に上昇することがわかりました。

 睡眠不足が心臓にダメージを与える理由はいくつも考えられます。中でも大きな要因となるのは、自律神経のバランスが崩れてしまうことです。

 自律神経は、交感神経と副交感神経のバランスで成り立っています。交感神経は活動時や緊張状態で優位になり、副交感神経はリラックスしているときに優位になります。睡眠中は交感神経の活動が低下し、副交感神経の活動が高まります。しかし、睡眠不足の状態になると、交感神経が優位になっている時間が長くなってしまうのです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    田中圭“まさかの二股"永野芽郁の裏切りにショック?…「第2の東出昌大」で払う不倫のツケ

  2. 2

    永野芽郁“二股肉食不倫”の代償は20億円…田中圭を転がすオヤジキラーぶりにスポンサーの反応は?

  3. 3

    永野芽郁「二股不倫」報道で…《江頭で泣いてたとか怖すぎ》の声噴出 以前紹介された趣味はハーレーなどワイルド系

  4. 4

    大阪万博「遠足」堺市の小・中学校8割が辞退の衝撃…無料招待でも安全への懸念広がる

  5. 5

    「クスリのアオキ」は売上高の5割がフード…新規出店に加え地場スーパーのM&Aで規模拡大

  1. 6

    のんが“改名騒動”以来11年ぶり民放ドラマ出演の背景…因縁の前事務所俳優とは共演NG懸念も

  2. 7

    「ダウンタウンDX」終了で消えゆく松本軍団…FUJIWARA藤本敏史は炎上中で"ガヤ芸人"の今後は

  3. 8

    189cmの阿部寛「キャスター」が好発進 日本も男女高身長俳優がドラマを席巻する時代に

  4. 9

    PL学園の選手はなぜ胸に手を当て、なんとつぶやいていたのか…強力打線と強靭メンタルの秘密

  5. 10

    悪質犯罪で逮捕!大商大・冨山監督の素性と大学球界の闇…中古車販売、犬のブリーダー、一口馬主