しっかりした眠りが心臓を守る 不足すると発症リスク上昇
「春眠暁を覚えず」という言葉もあるように、春は眠りの季節でもあります。3月18日は「春の睡眠の日」だそうです。睡眠は心臓とも大きく関わっているので、しっかり覚えておきましょう。
厚生労働白書によると、一日の睡眠時間が6時間未満の場合、狭心症や心筋梗塞の有病率がアップするといいます。また、5時間以下では心臓疾患の発症率が上昇し、4時間以下になると冠動脈性心疾患による死亡率が上がることもわかっています。7~8時間未満の人と比べると、2.08倍に当たる数字です。
また、米ハーバード大の研究では、5時間以下の人は、8時間以上の人よりも心臓病リスクが1・45倍。米国で行われた他の研究でも、6時間未満のグループは心臓発作の発症リスクが2倍、うっ血性心不全の発症リスクが1.6倍に上昇することがわかりました。
睡眠不足が心臓にダメージを与える理由はいくつも考えられます。中でも大きな要因となるのは、自律神経のバランスが崩れてしまうことです。
自律神経は、交感神経と副交感神経のバランスで成り立っています。交感神経は活動時や緊張状態で優位になり、副交感神経はリラックスしているときに優位になります。睡眠中は交感神経の活動が低下し、副交感神経の活動が高まります。しかし、睡眠不足の状態になると、交感神経が優位になっている時間が長くなってしまうのです。