重篤な病気起こすことも 心臓カテーテル検査を甘く見ない
その結果、血管が狭くなったり、詰まっていたりする場所がわかれば、治療法が決まる。たとえば血管をバルーンとステントで広げる冠動脈形成術を行うのがいいのか、バイパス手術がいいのかなどはこの検査で最終判断されるという。
「ただし、心臓カテーテル検査はとても有益な検査ですが、100%安全な検査ではありません。カテーテルが心臓や動脈の壁を傷つけたり、造影剤による心臓の収縮力の低下、不整脈や腎機能障害が起きたりすることがあります」
■事故率は低いが起きれば深刻
実際、心臓カテーテル検査で死亡する確率は0.05%、脳梗塞、心筋梗塞、不整脈、造影剤によるアナフィラキシーショックなどの重篤な合併症を起こす確率は0.2%程度あるといわれている。特に多いのが脳梗塞で、カテーテルが大動脈壁や大動脈弁を傷つけて、動脈壁のプラークや血液の塊が飛び、脳を直撃してしまうことがある。
事故率は低いとはいえ一度起こってしまえばその被害は深刻だ。しびれや麻痺の後遺症が残ったり、寝たきりになったり、最悪、亡くなるケースがまれとはいえある。