乳がんは手術から20年後に転移する場合もある
乳がんの症状は、しこり、血の混ざった分泌物、ひきつれなどで自覚されることがあります。症状がなくても、検診のマンモグラフィーで指摘されることもあります。マンモグラフィーやエコー検査後、生検や吸引細胞診で診断されます。病気の広がりをCTや骨シンチグラム(骨転移の有無)などで検査して、病期(ステージ)が決まります。特に乳がんは進行すると、他のがんに比べて骨転移が多く認められます。
ステージにもよりますが、乳がんの治療は手術だけではなく、早期がん以外は手術前、手術後の化学療法、ホルモン療法なども治療の大切な部分を占めます。治療方針の決定にあたっては、がんの生検組織、あるいは手術した組織でがんを確定するだけでなく、ホルモンが効くがんなのかどうかを知るため、エストロゲン受容体・プロゲステロン受容体の有無を調べます。
■5年経過しても定期的な検診は必要
さらに、HER2という遺伝子が過剰に発現しているかどうかによって「ハーセプチン」という分子標的薬が効果を発揮できるかどうかが分かるので、HER2遺伝子についても検討します。