冬は「新型栄養失調」に注意 中高年の正しい食事法とは
「“若い頃に比べて太ったので肉は食べない”という人がいますが、間違いです。日常生活では一日に消費する総エネルギーの7割は、心臓の拍動や呼吸、体温維持などの基礎代謝に費やされます。中でも最もエネルギーを消費するのが筋肉です。筋肉が減れば基礎代謝は下がり、下がった分だけエネルギーが余ります。それが脂肪として体内に蓄積されて太る。中高年で太るのは30代をピークに筋肉量が減るからです」
冬は新型栄養失調リスクに拍車をかける。体温を維持するため基礎代謝が夏より10%程度増えるため、カロリー・栄養素不足になりがちだからだ。“冬は動かないから食事は控えめに”は落とし穴だ。
「とくに気をつけたいのは40歳以上の中高年です。多くの科学データが40歳から70歳の間に食事量は約25%減ることを示している。本人は『昔と同じように食べている』と思っていても実は食事に偏りが生じやすくなる。必要な栄養素は取っていないことが多いのです」
実際、70代のある男性の例だが、風邪だと思って市販の風邪薬を飲んだが症状が改善せず、そのうち悪寒が表れたので病院に行ったところ急性腎盂腎炎と診断された。