糖尿病の急激な悪化は新疾患「IgG4関連疾患」の疑いあり
IgG4関連疾患では、全身のさまざまな臓器に腫瘤ができる。がんのような悪性ではなく、良性だ。IgG4を作る細胞やリンパ球が異常に増えて炎症が起こる。
「特によく見られるのは、膵臓、涙腺、唾液腺、リンパ節、腎臓など。膵臓で起これば自己免疫性膵炎として黄疸や腹痛、糖尿病の急激な悪化などを招く。涙腺ではまぶたが腫れ、美的に問題が出ます。腎臓では、繰り返しの炎症で腎機能障害のリスクが高まります」
■炎症が起こる場所によっては命にかかわるケースも
つまりIgG4関連疾患そのものは良性であるが、炎症の場所によっては命にかかわる病気につながりかねない。IgG4関連疾患の存在がはっきりした今は、慎重にチェックし、もし該当し何らかの症状があるようなら、適切な治療を行わなければならない。
たとえば、IgG4関連疾患である自己免疫性膵炎なのに膵臓がんと誤診して切除をすれば、過剰医療になるのはもちろん、IgG4関連疾患の治療は行われていないので、「また自己免疫性膵炎が起こる」あるいは「違う臓器に炎症が起こる」可能性がある。