糖尿病の急激な悪化は新疾患「IgG4関連疾患」の疑いあり

公開日: 更新日:

 IgG4関連疾患では、全身のさまざまな臓器に腫瘤ができる。がんのような悪性ではなく、良性だ。IgG4を作る細胞やリンパ球が異常に増えて炎症が起こる。

「特によく見られるのは、膵臓、涙腺、唾液腺、リンパ節、腎臓など。膵臓で起これば自己免疫性膵炎として黄疸や腹痛、糖尿病の急激な悪化などを招く。涙腺ではまぶたが腫れ、美的に問題が出ます。腎臓では、繰り返しの炎症で腎機能障害のリスクが高まります」

■炎症が起こる場所によっては命にかかわるケースも

 つまりIgG4関連疾患そのものは良性であるが、炎症の場所によっては命にかかわる病気につながりかねない。IgG4関連疾患の存在がはっきりした今は、慎重にチェックし、もし該当し何らかの症状があるようなら、適切な治療を行わなければならない。

 たとえば、IgG4関連疾患である自己免疫性膵炎なのに膵臓がんと誤診して切除をすれば、過剰医療になるのはもちろん、IgG4関連疾患の治療は行われていないので、「また自己免疫性膵炎が起こる」あるいは「違う臓器に炎症が起こる」可能性がある。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  2. 2

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  3. 3

    松本人志は勝訴でも「テレビ復帰は困難」と関係者が語るワケ…“シビアな金銭感覚”がアダに

  4. 4

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  5. 5

    貧打広島が今オフ異例のFA参戦へ…狙うは地元出身の安打製造機 歴史的失速でチーム内外から「補強して」

  1. 6

    紀子さま誕生日文書ににじむ長女・眞子さんとの距離…コロナ明けでも里帰りせず心配事は山積み

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    メジャー挑戦、残留、国内移籍…広島・森下、大瀬良、九里の去就問題は三者三様

  4. 9

    かつての大谷が思い描いた「投打の理想」 避けられないと悟った「永遠の課題」とは

  5. 10

    大谷が初めて明かしたメジャーへの思い「自分に年俸30億円、総額200億円の価値?ないでしょうね…」