子供が不登校…ひきこもり回避は「共感と理解」がポイント
子供の適応障害では、大きな役割を果たすのが親だ。
「怒ったり、子供がやりたくないことを強要させるのは逆効果。『なぜやりたくないのか』に耳を傾け、本人が抱えている問題を知る。『どうすればできるのか』『どこまでならできるのか』など、解決法をともに探っていく。子供の気持ちに共感し、理解することが大事です」(貝谷理事長)
A君のケースでは、小児の心療内科を親が受診。医師のアドバイスを受け、A君と繰り返し話をする中で、親の「みんなが中学受験をするのだから、我が子にもそれをさせることが親の務め」という気持ちと、「転校という大きな環境の変化に加え、中学受験もしなければならなくなったのが大きなストレス」というA君の気持ちに大きな乖離があることを、親が理解した。
親が態度を改め、A君の自主性を重んじるようになるにつれて、A君は徐々に登校するようになり、クラスメートとも打ち解けていった。
「適応障害、つまり“病気とは言えない”状態の間に親が手を打つことが大事。早い段階で心療内科や精神科に相談するのも手です。小児も安全に使える不安を抑制する薬もあるので、場合によっては使うのもいい。事態が長引くと、本格的なひきこもりになる恐れがあります」
ちょっとした変化も見逃してはいけない。