子供が不登校…ひきこもり回避は「共感と理解」がポイント
「保育園や幼稚園では、お母さんがいない新しい環境になかなか慣れない。小学校入学後は、学校に行くのを嫌がる。普通はすぐに忘れてしまうような失敗でも、大きなダメージを受けるようになる」
■ストレスがなくなれば6カ月以内に回復
A君は小学5年の時、父親の転勤で地方都市から東京に転校。それまで住んでいたのは大人も子供も皆、顔見知りの地域で、おとなしい性格のA君にも友達がたくさんいた。
しかし引っ越し先は進学に熱心な親が多く、クラスメートの大半は中学受験のために塾通い。周囲に同調せねばと、両親はA君に中学受験をさせようとしたが、通い出した塾で「今の成績では難しい」と言われた。
腹痛や頭痛を訴えて学校や塾に行きたがらなくなったのは、小学校6年の夏休み明けだ。
両親は「受験から逃げている」と叱ったが、A君はその都度黙り込み、次第に部屋に閉じこもりがちになった。
貝谷理事長が言う。
「適応障害は引き金となったストレスがなくなれば、6カ月以内に回復します。しかしストレスがあるままでは、やがてうつ病や不安障害に移行する可能性があります」