子供の発達障害で知るべき「感覚過敏と栄養不足」への対策
発達障害と診断される子供が増えている。全国の公立小・中学校で「通級指導」(通常のクラスに在籍しながら障害に応じて特別指導を受ける制度)の子供の数は平成28年度に9万8311人。これは10年前の2・3倍で、その多くは発達障害だ。予備群も少なくなく、「わが子は将来、社会でやっていけるのか」と不安を感じる中高年もいるはずだ。しかし、親が感覚過敏の世界を知り、正しく対応すれば心配ない。発達障害治療の専門医で「どんぐり発達クリニック」(東京・千歳烏山)の宮尾益知院長に聞いた。
「発達障害の人の行動が周囲から理解されにくいのは見え方、聞こえ方などの感覚が、多くの人と異なっているからです」
発達障害とは生まれつきの脳の特性により、社会生活に困難が発生する障害のこと。コミュニケーションが苦手でこだわりが強い「自閉症スペクトラム障害」(ASD)、不注意で落ち着きがない「注意欠陥多動性障害」(ADHD)、読み書きや計算など特定の学習分野が極端に苦手な「学習障害」(LD)などがある。その多くは感覚過敏があり、最近はそれがどのようなものか、わかるようになってきた。