長引く咳に多くの病気リスク 見極めは肺活量と薬の効き目
熱はひいたのに、咳が止まらなくて……。このところの寒暖差で、風邪で受診される方が目立ちます。咳だけ残るという方が少なくありません。痰が絡んだような湿った咳ではなく、乾いた咳です。慢性の乾いた咳だと、胸部X線検査で異常がないことがほとんど。ほかの検査を追加することが必要です。
風邪はウイルスや細菌が気道などに感染して炎症が起きた状態。ウイルスなどがいなくなっても、炎症が残って長引くことがあるのです。風邪の診断に間違いがなければ、適切な薬を追加すれば良くなりますが、問題はそうではないケース。
風邪の後に乾いた咳を起こしやすい典型が、咳喘息です。喘息のようにぜーぜーしたり、呼吸困難を伴ったりしません。症状は咳のみで、深夜から早朝に頻発するのが特徴で、日中は会話や運動の後などに見られます。乾いた咳が8週間以上続く場合は、咳喘息の可能性が高いでしょう。
長引く咳には、肺がんや結核など見逃してはいけない病気がありますから、これらとの見極めが重要。そのために重要なのが、肺活量検査のスパイロメトリーです。