長引く咳に多くの病気リスク 見極めは肺活量と薬の効き目
肺活量検査では、最初の1秒間に全体の何%を吐いているか調べる項目があって、1秒率といいます。70%以上が正常ですが、これが下回ると、咳喘息が疑われます。X線に異常がなく、1秒率が低下していれば、咳喘息でしょう。
風邪が治っても、気道が敏感な状態が続いていることがあります。そうすると、冷たい空気やほこりを吸ったことなどをキッカケに再び気道が炎症を起こし、咳が出やすくなるのです。
咳喘息は、喘息とは違いますが、2~3割は喘息に移行するといわれます。喘息になると、発作的な呼吸困難に襲われますから、咳喘息のうちにしっかり治すことが大切です。
咳喘息と似たような病気にアトピー咳嗽があります。乾いた咳が主な症状で、ぜーぜーや呼吸困難はなし。見極めの決め手は、採血して調べるアレルギー検査です。
もうひとつは薬の効き目。咳喘息は、喘息に移行する可能性が否定できず、喘息と同じように気管支狭窄が少なからずあるため、気管支拡張薬が効きます。アトピー咳嗽はそうではなく、気管支拡張薬が効きません。
3つ目が胃食道逆流症です。胃酸が逆流することで食道が荒れて咳が出たり、ゲップや胸やけを生じたり。消化器症状を伴うことが多く、検査の決め手は胃カメラです。
梅田悦生・赤坂山王クリニック院長