咳・痰が長引く…胸部レントゲンの他にプラスしたい検査は
患者さんの訴えで最も多いのは、咳と痰です。インフルエンザが疑われる時は、「咳が出て風邪かな」と受診された人にも、発熱や関節の痛みなどがあれば、念のためインフルエンザウイルスの有無を調べる検査を行います。
鼻に入れた綿棒に付着した分泌物から、ウイルスの有無をチェックするもの。皆さんも受けたことがあるかもしれません。
咳や痰、喉の痛みなどの症状で、喉が腫れていたら、典型的な風邪。そんな時、特別な検査はしません。むやみに検査を重ねるより、通常の治療で対応する方が、医療費の点からも合理的でしょう。
問題は咳や痰が長引く時です。風邪もインフルエンザも長くても1週間で良くなります。ところが、患者さんは症状がありふれた咳や痰だと軽く考えがちで、再受診に結びつきません。それでこじれてしまうのです。
では、どんな検査が必要かというと、まずは胸部レントゲン検査です。咳が強くなった、咳が2週間以上続くといった時は、喉の炎症が奥の気管支や肺に移行したことが推察されるため、そこを調べるのです。肺炎と診断されたら、どんな細菌が原因か。痰を採取して遺伝子を調べる喀痰検査をしたり、迅速診断キットを使ったり。薬の使い分けに大切です。