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奥野修司ノンフィクション作家

▽おくの・しゅうじ 1948年、大阪府生まれ。「ナツコ 沖縄密貿易の女王」で講談社ノンフィクション賞(05年)、大宅壮一ノンフィクション賞(06年)を受賞。食べ物と健康に関しても精力的に取材を続け、近著に「本当は危ない国産食品 」(新潮新書)がある。

「がんで死ぬのはいいが、認知症だけはなりたくなかった」

公開日: 更新日:

 つい最近のこと、ある当事者から「がんで死ぬのはいいが、認知症だけはなりたくなかった」と言われたことがある。認知症は今でも「恥ずかしい病気」なのである。

 ところが2003年から早期発見が言われるようになった。アルツハイマー型の初期なら、ちょっと記憶が悪いぐらいで、工夫すれば普通の生活が送れるのに、重度のイメージが先入観になっているから、「何も分からなくなった」と誤解してしまう。この誤解が介護を難しくしているのだ。大切なことは、本人の立場に立って、本人が何を望んでいるかを知ることだろう。

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