確実ながん予防 ピロリ菌検査・除菌メリットとデメリット

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「厚木市内の中学2年生の希望者341人にピロリ菌を調べる尿検査を行ったところ、3%に感染者が見つかりました。ほぼ全員が除菌治療を受けましたが副作用の報告はなかった。消化器内科医がしっかりと診て除菌治療を行えば、中学生でも重篤な副作用の心配はありません」

 親がピロリ菌感染なら、子どもも検討した方がいい。ピロリ菌検査を先に受けて、除菌治療は後に、という手もある。

■高齢者には不要?

 高齢者の場合、「今からしなくても」とピロリ菌除菌治療が見送られるケースがある。しかし、年齢にもよるが、ピロリ菌感染者である高齢者が除菌治療を受けた方がいい理由がある。

「整形外科から痛み止め(NSAIDs)、循環器内科や神経内科から血栓予防薬(ワルファリン、NOAC)を処方されている高齢者が多い。これらの薬は消化管出血を起こしやすくし、命に関わります。そして、ピロリ菌感染者は消化管出血のリスクが高い」

 胃がん予防のためにではなく、消化管出血回避のために、高齢者はピロリ菌除菌治療を検討する。内山院長が行った研究では、除菌治療の成功度は71歳以上、70歳以下、どちらも同等で、副作用についても同等だった。

「痛み止めや血栓予防薬を服用している人、内視鏡検査で胃の萎縮があまり進んでいないことが確認された人などは、特に除菌治療を検討した方がいいでしょう」

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