寿命が短くなる可能性も…ビタミン剤の飲み過ぎは危険?
「健康のためにビタミン剤を飲んでいる」という人は多いと思います。ビタミンは体で作ることができない栄養素のことで、不足すると体の機能に問題が起こることは確かです。
たとえば、ビタミンB1が高度に欠乏すると、体がだるくなって心臓の機能などが低下する脚気(かっけ)という病気になります。
同じビタミンB群のB12は、神経の健康な働きのために必要なビタミンで、こちらも足りなくなると、認知症のような症状が出たり、手足がしびれたり、貧血になったりと、多くの症状や病気の原因となります。しかし、これは高度に欠乏した場合の話です。
ビタミン剤の使用量は、結構大ざっぱに決められていることが多く、ビタミンB12は体の必要な量よりはるかに多い用量が、市販のサプリメントにも入っています。
それでは、ビタミン剤を飲み過ぎることで健康上の問題はないのでしょうか? ちょっと気になる結果が、米国医師会雑誌の姉妹誌に掲載されていました。オランダでビタミンB12の血液濃度と、寿命や病気との関係を見たところ、ビタミンの血液濃度が高いほど、寿命が短いという関係が認められたのです。
肝臓や腎臓などの内臓機能が低下すると、血液のビタミンB12濃度が増加するという関係があるので、ビタミンそのものが悪いとは言い切れませんが、ビタミン剤は不足していなければ問題ない、というくらいに考えた方がよさそうです。