著者のコラム一覧
石原藤樹「北品川藤クリニック」院長

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

スマホアプリを検証 「AI」でがんをどこまで診断できるのか

公開日: 更新日:

 AI(人工知能)が人間の仕事に取って代わるというのは、昔はSFでしたが、今では現実の話です。多くの仕事で人間に出来る仕事は、AIにも出来る世の中になっているのです。

 医療の世界も例外ではありません。がんの診断は今はまだ医師の仕事ですが、そこにもAIが進出してきています。中でも皮膚がんの診断には、スマホで利用できるAIの技術を活用したアプリが、何種類も開発されているのです。皮膚がんの診断というのは、目で見た所見が重要で、これまでは経験のある専門医の独壇場でした。しかし、その技術をそのままプログラムしたAIのアプリが、その牙城を揺るがしているのです。

 ある研究ではスマホのアプリの方が、より高い確率でがんを診断した、という結果も報告されています。もう専門医の出番はないのでしょうか?

 今年の「ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル」という一流の医学誌に、これまでの6種類の皮膚がん診断アプリの性能を検証した論文が掲載されています。これまでの臨床データをまとめて解析したところ、意外にもAIの診断能力は当てになるものではなく、特に本当の良性の病変と悪性の疑いのある病変とを区別する力は、人間よりはるかに劣っていました。今後はどうか分かりませんが、今のところがんの診断はまだ人間の方に一日の長があるようです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大友康平「HOUND DOG」45周年ライブで観客からヤジ! 同い年の仲良しサザン桑田佳祐と比較されがちなワケ

  2. 2

    阪神・西勇輝いよいよ崖っぷち…ベテランの矜持すら見せられず大炎上に藤川監督は強権発動

  3. 3

    歌手・中孝介が銭湯で「やった」こと…不同意性行容疑で現行犯逮捕

  4. 4

    佐々木朗希の足を引っ張りかねない捕手問題…正妻スミスにはメジャー「ワーストクラス」の数字ずらり

  5. 5

    阪神・藤川監督が酔っぱらって口を衝いた打倒巨人「怪気炎」→掲載自粛要請で幻に

  1. 6

    巨人・小林誠司に“再婚相手”見つかった? 阿部監督が思い描く「田中将大復活」への青写真

  2. 7

    早実初等部が慶応幼稚舎に太刀打ちできない「伝統」以外の決定的な差

  3. 8

    「夢の超特急」計画の裏で住民困惑…愛知県春日井市で田んぼ・池・井戸が突然枯れた!

  4. 9

    フジテレビを救うのは経歴ピカピカの社外取締役ではなく“営業の猛者”と呼ばれる女性プロパーか?

  5. 10

    阪神からの戦力外通告「全内幕」…四方八方から《辞めた方が身のためや》と現役続行を反対された