流行終息やイベント解禁日を推測「感染症数理モデル」とは
■感染者の隔離や学校閉鎖の効果が計算できる
そこで基本再感染数を減らすための、何らかの対策が講じられるわけだ。それが「ワクチン」と「隔離」だ。
「一般的に、ワクチン(予防接種)が有効な病気に対しては、ワクチンの義務化ないし勧奨が行われます。それによって非感染者そのものを減らしてしまい、結果的に基本再感染数を1以下に抑えようというわけです。残念ながら、新型コロナに有効なワクチンはまだ存在しませんから、この戦略は使えません。そこで次に有効なのが『感染者の隔離(ないし外出等の制限)』です。非感染者との接触をなくせば、必然的に基本再感染数がゼロになります」
実際には、無症状感染者を100%発見することはできない。ただし、できる限り隔離するに越したことはない。現在行われている対策の柱でもある。
「ただし誰が感染者か特定できない場合は、互いにできるだけ近づかない、接触しないことです。新型コロナは飛沫感染と接触感染で広まるといわれていますから、学校の閉鎖や在宅勤務の推進は、有効な施策といえます。特定地域の人の移動を制限することも有効です。感染地域から感染者が出ることを制限できれば、他の地域への拡大を減らせます。武漢、大邱、イタリア北部などで取られている施策ですが、日本では行われていません」