流行終息やイベント解禁日を推測「感染症数理モデル」とは

公開日: 更新日:

■感染者の隔離や学校閉鎖の効果が計算できる

 そこで基本再感染数を減らすための、何らかの対策が講じられるわけだ。それが「ワクチン」と「隔離」だ。

「一般的に、ワクチン(予防接種)が有効な病気に対しては、ワクチンの義務化ないし勧奨が行われます。それによって非感染者そのものを減らしてしまい、結果的に基本再感染数を1以下に抑えようというわけです。残念ながら、新型コロナに有効なワクチンはまだ存在しませんから、この戦略は使えません。そこで次に有効なのが『感染者の隔離(ないし外出等の制限)』です。非感染者との接触をなくせば、必然的に基本再感染数がゼロになります」 

 実際には、無症状感染者を100%発見することはできない。ただし、できる限り隔離するに越したことはない。現在行われている対策の柱でもある。

「ただし誰が感染者か特定できない場合は、互いにできるだけ近づかない、接触しないことです。新型コロナは飛沫感染と接触感染で広まるといわれていますから、学校の閉鎖や在宅勤務の推進は、有効な施策といえます。特定地域の人の移動を制限することも有効です。感染地域から感染者が出ることを制限できれば、他の地域への拡大を減らせます。武漢、大邱、イタリア北部などで取られている施策ですが、日本では行われていません」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  2. 2

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  3. 3

    松本人志は勝訴でも「テレビ復帰は困難」と関係者が語るワケ…“シビアな金銭感覚”がアダに

  4. 4

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  5. 5

    貧打広島が今オフ異例のFA参戦へ…狙うは地元出身の安打製造機 歴史的失速でチーム内外から「補強して」

  1. 6

    紀子さま誕生日文書ににじむ長女・眞子さんとの距離…コロナ明けでも里帰りせず心配事は山積み

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    メジャー挑戦、残留、国内移籍…広島・森下、大瀬良、九里の去就問題は三者三様

  4. 9

    かつての大谷が思い描いた「投打の理想」 避けられないと悟った「永遠の課題」とは

  5. 10

    大谷が初めて明かしたメジャーへの思い「自分に年俸30億円、総額200億円の価値?ないでしょうね…」