著者のコラム一覧
尾上泰彦「プライベートケアクリニック東京」院長

性感染症専門医療機関「プライベートケアクリニック東京」院長。日大医学部卒。医学博士。日本性感染症学会(功労会員)、(財)性の健康医学財団(代議員)、厚生労働省エイズ対策研究事業「性感染症患者のHIV感染と行動のモニタリングに関する研究」共同研究者、川崎STI研究会代表世話人などを務め、日本の性感染症予防・治療を牽引している。著書も多く、近著に「性感染症 プライベートゾーンの怖い医学」(角川新書)がある。

【すそワキガ】強いほど性ホルモンが活発に働いている証拠

公開日: 更新日:

 ただし、臭いの強さには個人差があり、脇の下の臭いが強いと「ワキガ(腋臭症)」、外陰部の臭いが強いと「すそワキガ(外陰部臭症)」と呼びます。それはアポクリン腺の大きさや数は遺伝によって個人差があるからです。

 特にすそワキガは女性に多く、男女比は男性2人に対して女性が8人程度といわれています。

 では、アポクリン腺の汗にはどんな役割があるのでしょうか。

 人間のアポクリン腺は、哺乳類がフェロモンを分泌する芳香腺(ほうかせん)が退化したものとされています。そのため思春期になると性ホルモンの影響で分泌が増えて臭いが強くなり、老年期になるとアポクリン腺が小さくなって分泌が減るのです。

 しかし、日本人や中国人、韓国人などの東アジア人は、他の人種に比べてアポクリン腺の分泌量が少ないことが分かっています。それはABCC11遺伝子が「GG型」もしくは「GA型」であれば分泌量が多く、「AA型」は分泌量が少ないからです。「AA型」は日本人の70~80%を占める一方で、欧州やアフリカ系の人では0~3%しかいません。

 このような背景があって、日本人は体臭に対してより過敏になるのでしょう。すそワキガがあるということは、性ホルモンが活発に働いている証拠。周囲に迷惑にならない程度の臭いなら、あまり神経質にならない方がいいでしょう。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    相撲協会の逆鱗に触れた白鵬のメディア工作…イジメ黙認と隠蔽、変わらぬ傲慢ぶりの波紋と今後

  2. 2

    中居正広はテレビ界でも浮いていた?「松本人志×霜月るな」のような“応援団”不在の深刻度

  3. 3

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  4. 4

    《2025年に日本を出ます》…團十郎&占い師「突然ですが占ってもいいですか?」で"意味深トーク"の後味の悪さ

  5. 5

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  1. 6

    中居正広の女性トラブルで元女優・若林志穂さん怒り再燃!大物ミュージシャン「N」に向けられる《私は一歩も引きません》宣言

  2. 7

    結局《何をやってもキムタク》が功を奏した? 中居正広の騒動で最後に笑いそうな木村拓哉と工藤静香

  3. 8

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  4. 9

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  5. 10

    高校サッカーV前橋育英からJ入りゼロのなぜ? 英プレミアの三笘薫が優良モデルケース