【細菌性腟症】腟内善玉菌が減ると発症し灰白色のオリモノが
しかし、何らかの原因で乳酸桿菌が減ってしまったら、どうなるでしょうか。増殖が抑えられていた他の常在菌の好気性菌(酸素があると増殖できる菌)や、嫌気性菌(酸素があると増殖できない菌)などが過剰に増殖してしまいます。このように細菌叢のバランスが崩れ、複数菌感染によってオリモノが増加する病気を「細菌性腟症」と呼びます。
オリモノが増加する病気には、カビ(真菌)の増殖による「性器カンジタ症」や原虫が感染する「腟トリコモナス症」がありますが、細菌性腟症は特定の微生物が検出されません。
細菌性腟症の半数の人は無症状とされますが、特徴的な症状はオリモノが灰白色で水っぽく、アミン臭(魚臭、生臭い)がすることです。腟に炎症は見られません。それと検査で腟分泌物のpHを測ると5.0以上を示します。症状は比較的軽いのですが、異常に増殖した細菌が上行すると子宮頚管炎や卵管炎などを引き起こすので注意が必要です。
細菌性腟症は性感染症ではありませんが、性交渉のパートナーが複数いるとなりやすいとされています。また、体力・免疫力の低下、過度な腟洗浄、抗生物質の使用、IUD(子宮内避妊器具)の使用なども罹患(りかん)リスクが高まります。治療は、特定の抗生物質の腟錠や内服で治りますが、再発も少なくありません。