著者のコラム一覧
尾上泰彦「プライベートケアクリニック東京」院長

性感染症専門医療機関「プライベートケアクリニック東京」院長。日大医学部卒。医学博士。日本性感染症学会(功労会員)、(財)性の健康医学財団(代議員)、厚生労働省エイズ対策研究事業「性感染症患者のHIV感染と行動のモニタリングに関する研究」共同研究者、川崎STI研究会代表世話人などを務め、日本の性感染症予防・治療を牽引している。著書も多く、近著に「性感染症 プライベートゾーンの怖い医学」(角川新書)がある。

7月に新たに承認されたHPV9価ワクチンの実力と泣きどころ

公開日: 更新日:

 性器に先のとがった小さなイボがたくさんできる性感染症として「尖圭(せんけい)コンジローマ」がよく知られています。原因の病原体は「ヒトパピローマウイルス(HPV)」です。人の体にできるウイルス性のイボは、すべてこのウイルスが原因です。

 性交によるHPV感染症は一方で、女性の「子宮頚がん」の原因になることも知られています。他にも「中咽頭がん」「肛門がん」「陰茎がん」などの原因にもなります。HPVには180種類以上の「遺伝子型」があり、その型によって良性腫瘍(イボ)の原因になったり、悪性腫瘍(がん)の原因になるのです。

 がんの発生と関係があるHPVは「ハイリスクHPV」と呼び、子宮頚がんの原因は主に「16型」と「18型」です。良性腫瘍を発生させるHPVは「ローリスクHPV」と呼び、尖圭コンジローマの原因は主に「6型」と「11型」です。

 女性では80%以上、男性では90%以上が生涯で一度は何らかのHPVに感染するといわれます。また、ハイリスクHPVには女性の50%が感染するといわれます。ただし、HPVに感染してもほとんどの人は自己免疫力でウイルスを排除するので病気を発症することはありません。女性では、ハイリスクHPVに感染した10%が持続感染し、そのごく一部が子宮頚がんを発症します。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    相撲協会の逆鱗に触れた白鵬のメディア工作…イジメ黙認と隠蔽、変わらぬ傲慢ぶりの波紋と今後

  2. 2

    中居正広はテレビ界でも浮いていた?「松本人志×霜月るな」のような“応援団”不在の深刻度

  3. 3

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  4. 4

    《2025年に日本を出ます》…團十郎&占い師「突然ですが占ってもいいですか?」で"意味深トーク"の後味の悪さ

  5. 5

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  1. 6

    中居正広の女性トラブルで元女優・若林志穂さん怒り再燃!大物ミュージシャン「N」に向けられる《私は一歩も引きません》宣言

  2. 7

    結局《何をやってもキムタク》が功を奏した? 中居正広の騒動で最後に笑いそうな木村拓哉と工藤静香

  3. 8

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  4. 9

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  5. 10

    高校サッカーV前橋育英からJ入りゼロのなぜ? 英プレミアの三笘薫が優良モデルケース