「現代的日本食」+「コーヒー」が認知機能の維持に役立つ
近年、脳と腸が自律神経などを介して互いに影響を及ぼし合う「脳腸関係」が注目されている。昨年、神経学の専門雑誌ランセット・ニューロロジー誌に、アルツハイマー病、多発性硬化症、パーキンソン病、脳卒中といった神経疾患と腸内細菌が関連していることを示す論文が発表された。
「脳と腸との関連にはさまざまな経路があり、認知機能にも影響している。認知機能と腸内細菌に関する論文は、ここ数年だけでも複数あります」(佐治医師=以下同)
「アルツハイマー型認知症の患者では腸内細菌の多様性が乏しい」「善玉菌のビフィズス菌breve A1が認知機能を改善」「腸内細菌叢の異常が脳に悪影響」などだ。
■腸内細菌の代謝産物も認知症に関連
佐治医師らも2015年から腸内細菌についての研究を開始。もの忘れ外来を受診した患者の検便サンプルを採取・解析した研究では、認知症の有無で腸内細菌のタイプが異なっていた。認知症でない人を対象にした研究では、認知症の前段階である軽度認知障害でも腸内細菌は認知機能の低下に強く関連しており、腸内細菌の変化は軽度認知障害のリスクを5倍高めると分かった。