具材たっぷりの食事が認知機能を維持し脳の萎縮を抑制する
認知症予防の食事として注目を集めているのが、地中海沿岸の国々で伝統的に食べられている「地中海食」だ。では、私たち日本人が食べている和食は? 老化や老年病の予防法を探るための研究「国立長寿医療研究センター・老化に関する長期縦断疫学研究(NILS―LSA)」に従事する同センター老化疫学研究部の大塚礼部長に話を聞いた。
◇ ◇ ◇
地中海食とは、「季節折々の野菜や果物、豆類、種実などを多く摂取する」「オリーブオイルをよく使う」「魚介類や乳製品、鶏肉を適量、赤身肉を少量食べる」「適量の赤ワインを飲む」といったもの。地中海食に関する研究は多く、欧米では認知機能低下を抑制するという研究結果が出ている。
一方、日本人の昔ながらの食事内容である「ご飯(主食)、味噌汁などの汁物、魚中心の主菜、野菜が主体の副菜」は、世界的に見て「魚介類の摂取量の多さはトップレベル」「油脂の摂取量は少ない」「塩分摂取量は多い」との特徴を持っている。
「日本人のエビデンスを得るために、1997年に開始されたのがNILS―LSAです。その中で私たちは、食事と認知機能の関連を縦断的に検討してきました」