著者のコラム一覧
中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

石原慎太郎さんはすい臓がん再発で…根治にはとにかく手術を

公開日: 更新日:

 安らかな最期だったそうです。

 1日に亡くなった石原慎太郎さんは、直前まで執筆活動を続け、その日は眠るように息を引き取ったといいます。享年89。苦しまずに済んだのは、何よりだと思います。

 石原さんは2年前、すい臓がんであることを公表。夜間頻尿でかかりつけ医を受診し、腎臓のエコー検査を受けた時に、がんが見つかったそうです。その時、ステージ1。それで選択したのが、重粒子線治療だと週刊誌のインタビューに語っています。

 すい臓は、X線をはじめとする従来の放射線が効きにくい細胞である一方、それを取り囲む消化管などの組織は放射線の影響を受けやすく、従来の放射線では十分な治療効果が得られませんでした。

 その困難を克服したのが重粒子線です。放射線の影響を受けやすい周りの組織を避けながら、放射線が効きにくい細胞にも高い殺細胞効果が示されています。

 そこで、すい臓がんの重粒子線治療が先進医療として認められているのは2つ。手術を前提とした術前重粒子線治療と、手術ができない、あるいは手術を希望しない人への重粒子線治療です。前者はステージ1~2b、後者はステージ1~3が対象です。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…