喫煙本数の増加で聴力低下のリスクが上がる 日本の研究で報告
難聴の原因は遺伝、加齢、病気、薬の副作用、音の環境などさまざまあるといわれていますが、中でも大きな音を聞き過ぎることで起こる難聴については前回お話ししました。今回は、喫煙や生活習慣に起因する生活習慣病が難聴に及ぼす影響とその予防策を考えていきたいと思います。
最近行われた国立国際医療研究センターの研究によると、喫煙本数の増加に伴い、聴力低下のリスクも高くなるということが判明しました。
ちなみに5年間禁煙するとその難聴リスクは非喫煙者並みになるという報告もありますから、ヘビースモーカーの方でも遅すぎることはないので、今日からでも禁煙をオススメします。
そもそも喫煙と難聴がどのように関係するのでしょうか? それは喫煙により血管中の活性酸素が過剰に増加、それにより血管を傷つけ、血管内の壁にコレステロールを沈着させ動脈硬化を起こしやすくなるためなのです。そして血管の壁が硬く分厚くなり血流が滞ります。
こうなると、心臓から体のすみずみまで酸素や栄養素を運ぶ重要な働きが悪くなります。その影響は耳にも及びます。耳の中にある有毛細胞という脳に音を届けるために重要な役割を持つ細胞に血液が届きにくくなります。酸素と栄養が十分に届かなくなった有毛細胞は機能しなくなります。