着けたがらない親に補聴器をつけてもらうにはどうする?
補聴器を着けたがらない親をどう説得すればいいのか? こんな相談をよく受けます。
難聴は、本人だけでなく、身近な家族や、話しかけたいと思っている周りの人にも負担を強いるものです。超高齢社会の現在、衰える体力や身体機能をサポートする老眼鏡や入れ歯と同じように、補聴器もまた必要なものとして認識されるべき。老いは悪いことではありません。たとえ体の機能が落ちても、上手に補いながら元気に過ごすという意識が広まればいいと思っています。
ある女性から、ご連絡をいただいたことがあります。耳の遠くなった父親との会話が「大声で話さないと何も聞こえない」「私も母親も、聞こえないから話しかけるのを避けるようになっている。何とかしたい」という切実なものでした。
訪問すると、本人は補聴器にあまり乗り気ではない様子です。
さっそく聴力測定を実施。結果に合わせて補聴器を調整し、そしてそれでも補聴器が万能ではないことなどを十分に説明し、1週間だけでも試してみませんかと提案。ひとまず試用してもらえることになりました。この間、娘さんと何回もLINEでやりとりをし、お父さまの様子を聞きながらサポートの仕方を伝え、経過を見守りました。