「低GI値」を意識した食生活で血糖値を下げられるのか
また、加工食品に含まれる「フルクトース」(果糖)はGI値は低いですが、過剰に取ると2型糖尿病のリスクを高めます。
2型糖尿病の患者さんにGI値について聞かれた時、私が答えているのは「GI値が高い食品を普段から食べ過ぎていて血糖値が上がったのなら、食事の選択肢にGI値を取り入れてもいいかもしれません。しかし、2型糖尿病では生活の不規則さに起因する肥満が関係していることが珍しくない。肥満なら、そちらから介入すべき」というもの。GI値に関して否定はしませんが、積極的肯定もしない立場です。
日本人の昔の食事は米中心で、GI値が高めでした。しかし当時は、糖尿病が多かったわけではない。それから考えると、GI値の高い食品だけが糖尿病のリスクを上げているのではない。
「GI値とカロリーはイコールではない」と前述しましたが、たとえばトンカツやハンバーグ、ステーキなどは、カレーライスやオムライスといったご飯をメインにしたメニューよりGI値が低めではあるものの、「だから安心」と肥満の人が食べ過ぎれば、肥満は解消されず、糖尿病対策にはまったくならないでしょう。
ただし、日頃からGI値を気にしている意識の高い人は、食事バランスなどに気を使っており、結果、糖尿病になりにくい傾向があるのも事実なのです。