著者のコラム一覧
坂本昌也国際医療福祉大学 医学部教授 国際医療福祉大学 内科部長・地域連携部長

専門は糖尿病治療と心血管内分泌学。1970年、東京都港区生まれ。東京慈恵会医科大学卒。東京大学、千葉大学で心臓の研究を経て、現在では糖尿病患者の予防医学の観点から臨床・基礎研究を続けている。日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本内分泌学会の専門医・指導医・評議員を務める。

「低GI値」を意識した食生活で血糖値を下げられるのか

公開日: 更新日:

「GI(グリセミック・インデックス」は、食後血糖値の上昇度を示す指標のこと。1981年、トロント大学のジェンキンス博士らが、「糖質量が同じでも、血糖値を上昇させる速度や程度に差がある」として、GIに関する論文を最初に発表しました。食品ごとにGI値が設けられています。

 食事をすると、食べ物の中に含まれている糖分が血液中にブドウ糖として取り込まれ、血糖値が上がります。ブドウ糖が増えることで膵臓からインスリンが分泌され、それによってブドウ糖が肝臓や筋肉、脂肪組織など全身の細胞に取り込まれ、血糖値が下がります。

 ところが、インスリンの分泌が少ない、分泌のタイミングが遅い、インスリンの作用が低下するなどが起こると、血糖の処理が十分に行われず、血糖値が下がりにくくなります。食後数時間経っても血糖値が下がらない状態が慢性的に続くのが糖尿病となります。

 血糖値が下がりにくい人は、食後の血糖値の上昇が緩やかな食品を選んだ方がいいとも言われ、その選択に役立つのがGI値になります。GI値が高いほど食後の血糖値の上昇が急激であり、逆にGI値が低いほど食後の血糖値の上昇が緩やかになります。

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