「靴」を変えれば膝痛が改善する? 6割が効果を実感 豪州の研究グループが発表
2008年に出された厚労省の研究班報告書(介護予防の推進に向けた運動器疾患対策について)に、変形性膝関節症の自覚症状がある人は約1000万人、潜在的な患者は約3000万人と書かれています。膝の軟骨が変形したりすり減ったりして起こる、痛みや腫れなどが、主な症状です。
病院に行くと、ヒアルロン酸(保険適用)の注射を打ってくれます。ただし痛みを和らげ、膝を曲げやすくする治療で、完治はあまり期待できません。
しかも効果が短いため、毎月1、2回打ち続けることになりますし、それが長期にわたると次第に効き目が落ちてきます。
錠剤のグルコサミンやコンドロイチンを愛用している人も大勢います。こちらはヒアルロン酸より効果が弱いとされており、保険適用になっていません。特定保健用食品(トクホ)や機能性表示食品になっている商品は数多くあります。定期的に通院して注射を打ってもらうよりも、お手軽ではあります。
しかし手軽という点では、なんといっても「靴」が一番でしょう。変形性膝関節症は靴選びである程度予防でき、痛みを緩和する効果もあることが、経験的によく知られています。とくに今世紀に入ってから、科学のメスが入って、論文数が急増しています。ただし靴の形、サイズ、底やインソール(中敷き)の厚みや硬さ、履き方や歩き方など、パラメーターが多いため、複雑すぎてなかなか決定打が出ない状況です。