著者のコラム一覧
堀田秀吾明治大学教授、言語学者

1968年生まれ。言語学や法学に加え、社会心理学、脳科学の分野にも明るく、多角的な研究を展開。著書に「図解ストレス解消大全」(SBクリエイティブ)など。

マルチタスクはシングルタスクよりも作業効率を低下させる?

公開日: 更新日:

 スタンフォード大学のワグナーらは、マルチタスクが認知コントロールにどのような影響を与えるかといった調査を行っています(2009年)。実験ではマルチタスクに慣れた大学生を対象に、注意力や作業記憶に関する課題を行わせ、シングルタスクのケースとマルチタスクのケース、双方を比較しました。被験者の脳のMRI画像を撮影して、認知コントロールに関する脳の活動を調べてみたそうです。

 その結果、マルチタスクに慣れた被験者は、シングルタスクに比べて、作業中に認知コントロールを行うための脳の活動が低下。また、マルチタスクの方が、作業中に不必要な情報に注意を払う傾向があることも明らかになったといいます。

 その一方で、香港中文大学らのルイらは、「マルチタスクが認知能力を改善することはあるか」について調査(2012年)をしているのですが、マルチタスク能力と多感覚統合能力は、正の相関関係があると、リポートしています。

 多感覚統合能力とは、複数の感覚情報を統合して処理する能力。例えば、視覚的な情報と聴覚的な情報を同時に処理して、より豊かな情報を認識できる能力などが挙げられます。ルイらによれば「マルチタスクに慣れた人は、多感覚統合においても高い能力を示す傾向がある」と指摘しています。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    僕がプロ野球歴代3位「年間147打点」を叩き出した舞台裏…満塁打率6割、走者なしだと.225

  2. 2

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  3. 3

    “玉の輿”大江麻理子アナに嫉妬の嵐「バラエティーに専念を」

  4. 4

    巨人「先発6番目」争いが若手5人で熾烈!抜け出すのは恐らく…“魔改造コーチ”も太鼓判

  5. 5

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  1. 6

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 7

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  3. 8

    【独自】フジテレビ“セクハラ横行”のヤバイ実態が社内調査で判明…「性的関係迫る」16%

  4. 9

    大江麻理子アナはテレ東辞めても経済的にはへっちゃら?「夫婦で資産100億円」の超セレブ生活

  5. 10

    裏金のキーマンに「出てくるな」と旧安倍派幹部が“脅し鬼電”…参考人招致ドタキャンに自民内部からも異論噴出