松・竹・梅の「竹」をつい選んでしまう理由とは?
焼き肉の食べ放題へ行ったとき、「高級な肉も選べる6000円のAコース」「それなりに高級な肉も楽しめる4000円のBコース」「安価な肉しか選べないけどリーズナブルな2000円のCコース」──。皆さんならどれを選ぶでしょうか?
多くの方が「Bコース」を選ぶのではないでしょうか。「真ん中が最も手頃で質も楽しめるだろう」と私たちは考えるわけですが、もしかしたらAコースは6000円ではあり得ないほどのコストパフォーマンスかもしれないし、安価な肉とはいえ大満足できる内容の可能性だってCコースにはあり得るわけです。しかし、われわれはどういうわけか、真ん中のBコースが最も妥当性があると考えてしまいます。これには理由があるといわれています。
行動経済学者のシモンソンと心理学者のトベルスキーは次のような実験(1989年)を行いました。
まず、学生グループからランダムに108人を選び、被験者である学生たちに6ドルを与えました。被験者には、「そのまま6ドルを保有していてもいい」と伝える一方で、「高級そうなペンとも交換できます」と伝えたそうです。