「尿酸値」が高くなると死亡リスクが3倍にアップ…痛風だけじゃない
尿酸は水に溶けにくく、血中の尿酸値が7.0を超えると徐々に結晶化が進む。尿酸の結晶が足の親指の関節に沈着すると痛風、腎臓に沈着すると腎臓病や尿路結石を引き起こす。
さらに近年は心血管疾患との関連も指摘されている。
「尿酸が作られる際、同時に活性酸素も作られます。これには細胞を壊す働きがあるので血管が傷つき動脈硬化や血管系の病気を引き起こすと考えられています。また、尿酸が血管内皮細胞を直接障害することが実験で確認されています」
今田氏が行った一般住民を対象とする研究で尿酸値が1年前と比較して2.0以上上昇すると、心筋梗塞といった心血管疾患による死亡リスクが3倍になると明らかになった。また、血管の障害は脳梗塞や脳卒中も引き起こす危険性も高まる。
■乳製品の摂取が効果的
尿酸値を上昇させないために、まずは生活習慣から見直したい。
「ビールはプリン体を多く含むと知られています。毎日飲む習慣がある人は、尿酸値の上昇を防ぐためにも1日瓶ビール1本にとどめてください。また、肉類や魚介類もプリン体の量が多い。普段から肉や魚を食べる頻度が高い人は量を半分にし、尿酸の排出を促すとされるヒジキやワカメ、ホウレンソウといった海藻類や野菜を摂取すると、尿酸値の上昇を防げます」