生活苦で広がる患者の服薬の間引き、治療の中断…「モーニングサージ」に気をつけろ
「日本人2.1万人を対象とした研究では、日中の血圧が高い人は健常な人に比べて脳卒中や心筋梗塞のリスクが1.46倍高くなりますが、日中は正常で朝だけ血圧が高い人は2.47倍にそのリスクが跳ね上がると報告されています」
実際、脳の血管が破れたり詰まったすることで起きる脳卒中は、高血圧、脂質異常症、糖尿病の人がなりやすく、午前6時~正午の間に発症しやすいことが知られている。
では、自分がモーニングサージか否かを知るにはどうしたらいいのか?
「夜寝る前と朝起きてからすぐに血圧を測り、これを数日繰り返す。朝と夜の差が55㎜Hg以上あればモーニングサージです。該当する人はとくに、朝目覚めたらすぐに立ち上がらずに、布団の中で手足を動かして体を温めてから起きるようにしましょう。年配者の中には朝の冷気が気持ちがいい、と薄着で外出する人がいますが、それは加齢や糖尿病で温度が感じられないせいかもしれません。ゴミ出しなどで外出するときは暖かい服装にすることです」
朝のイライラは血圧を上げる。余裕をもって行動できるよう、寝る前に朝の準備を整え、時間に余裕を持つことも大切だ。冷え切ったトイレでの排便は血圧を30~50㎜Hg上げることもある。とくに注意が必要だ。
「カーディガンを羽織ったりスリッパを履くなどして温かくしましょう。お風呂の脱衣所だけでなくトイレの中にも小型の電気ストーブを入れるのもいいかもしれません」