測定不能なほどの高血圧…でも、お金がないから病院にかかれない
「要介護3で、3年間どこにも受診されていないようで、ケアマネさんもついてないんです」
地域包括支援センターから、こんな連絡があったのは、この春のこと。高血圧症と言語障害を患う、内縁の夫と暮らす90歳の女性が在宅医療を始められました。
「なるほど。今、お薬は何も飲んでいないんですね」(私)
「はい。全く医者にもかかっていません」(夫)
「調子が悪くなる前はお話も普通にされていたんですか?」(私)
「はい。急に2週間前から手足が動かなくなっちゃった」(夫)
どうやら容体が急変したとのことですが、病院ではなく、私たちのところへ紹介されて来られたのには事情があるようでした。
「血圧測定不能です。実際に200以上ありそうですね」(私)
血圧は触診で200を超え、もはや測定も困難な状態でした。目を閉じてもすぐに開いてしまい、ご自身で脚を上げることもかないません。