生活苦で広がる患者の服薬の間引き、治療の中断…「モーニングサージ」に気をつけろ
日本でも貧困は静かに広がっている。2022年国民生活基礎調査概況によると、日本ではその国の生活・文化水準を下回る状態を指す相対的貧困率が15.4%と高く、高齢者世帯の48.3%が「生活が苦しい」と答えている。
■浴室やトイレは暖かくする
これからの季節、とくに注意したいのが高血圧の患者だ。気温が低下すると、血圧、血糖などが上昇し、具合の悪くなる人が多くなる。
「冬に血圧が上がるのは、寒さが血圧を調整する交感神経を刺激して血管を収縮させるからです。しかも、冬は鍋をはじめ塩分の多い料理が多く、体も動かさないから汗もかかず、肥満になりやすい。高血圧の人は、さらに病状が進みやすいのです。高血圧の人は夏と冬とでは血圧差が10~20㎜Hgある人が多く、30㎜Hg上昇する人もいるので要注意です」
健康な人でも血圧は朝高く、夜低くなる。しかし、人によっては朝目覚めると急激に血圧が上昇する。これを「モーニングサージ」と呼ぶ。夜、晩酌の習慣がある人に生じやすいことが知られている。