生活苦で広がる患者の服薬の間引き、治療の中断…「モーニングサージ」に気をつけろ
「この患者さんは食事指導をしても、それを実行できないため、薬の量を減らすことはできません。薬はすべてジェネリックで、腎臓の状態が悪いことから、これ以上、別の安い薬に入れ替えるのも難しい。本人は薬を間引いて飲んで薬を節約しているようですが、いずれ通院しなくなり、治療を中断するのでは、と心配しています」
実はこの患者のように、生活苦から勝手に薬を飲まなくなったり、通院をやめて治療を中断する患者が急増しているという。
「いまは異常気象で暖かい日が続いているので目立ちませんが、この先、寒くなると貧困が理由で満足な医療を受けられない患者さんの救急搬送が増えて、亡くなる人が例年以上に増えてしまうのでは、と心配しています」
実際、貧困が寿命に影響することは2015年の米国の平均寿命データでも明らかだ。
「この年、米国人の平均寿命が0.1歳短くなり話題になりました。原因は貧富の差の拡大とされ、平均寿命は収入上位1%は下位1%に比べて男性で14.6歳、女性で10.1年長かったことが報告されています」