がん予防に「黒砂糖」が効果的? 日本の研究チームが報告
亜熱帯気候に属している沖縄や奄美群島では、黒砂糖の生産が盛んです。黒砂糖には、カリウムやカルシウムなどのミネラルのほか、ビタミンやポリフェノールなどの栄養成分も含まれており、健康的な食品として注目を集めていました。いくつかの実験的な研究によれば、黒砂糖の摂取が中性脂肪を低下させる可能性や、抗酸化作用、抗菌作用なども確認されています。
しかし、健康に対する黒砂糖の効果について、質の高い研究データは限られていました。そんな中、黒砂糖の摂取と死亡やがんのリスクの関連性を検討した研究論文が、アジア・太平洋臨床栄養学会が発行している学術誌の2023年12月号に掲載されました。
この研究では、鹿児島県の奄美群島に在住している35~69歳の5004人が対象となりました。研究参加者に対して食習慣などに関するアンケートが行われ、黒砂糖の摂取頻度が調査されました。黒砂糖の摂取頻度は、週に1回未満(低頻度)、週に1~6回(中頻度)、1日1回以上(高頻度)に分類され、死亡リスクやがんの発症リスクとの関連性が検討されています。なお、結果に影響し得る年齢や性別、喫煙・飲酒の状況、持病(高血圧など)の有無などの因子について、統計的に補正して解析されました。