著者のコラム一覧
青島周一勤務薬剤師/「薬剤師のジャーナルクラブ」共同主宰

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

がん予防に「黒砂糖」が効果的? 日本の研究チームが報告

公開日: 更新日:

 亜熱帯気候に属している沖縄や奄美群島では、黒砂糖の生産が盛んです。黒砂糖には、カリウムやカルシウムなどのミネラルのほか、ビタミンやポリフェノールなどの栄養成分も含まれており、健康的な食品として注目を集めていました。いくつかの実験的な研究によれば、黒砂糖の摂取が中性脂肪を低下させる可能性や、抗酸化作用、抗菌作用なども確認されています。

 しかし、健康に対する黒砂糖の効果について、質の高い研究データは限られていました。そんな中、黒砂糖の摂取と死亡やがんのリスクの関連性を検討した研究論文が、アジア・太平洋臨床栄養学会が発行している学術誌の2023年12月号に掲載されました。

 この研究では、鹿児島県の奄美群島に在住している35~69歳の5004人が対象となりました。研究参加者に対して食習慣などに関するアンケートが行われ、黒砂糖の摂取頻度が調査されました。黒砂糖の摂取頻度は、週に1回未満(低頻度)、週に1~6回(中頻度)、1日1回以上(高頻度)に分類され、死亡リスクやがんの発症リスクとの関連性が検討されています。なお、結果に影響し得る年齢や性別、喫煙・飲酒の状況、持病(高血圧など)の有無などの因子について、統計的に補正して解析されました。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    アッと驚く自公「連立解消」…突っぱねた高市自民も離脱する斉藤公明も勝算なしの結末

  2. 2

    クマが各地で大暴れ、旅ロケ番組がてんてこ舞い…「ポツンと一軒家」も現場はピリピリ

  3. 3

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  4. 4

    安倍元首相銃撃裁判 審理前から山上徹也被告の判決日が決まっている理由

  5. 5

    ドジャース大谷翔平が直面する米国人の「差別的敵愾心」…米野球専門誌はMVPに選ばず

  1. 6

    マツコ・デラックスがSMAP木村拓哉と顔を合わせた千葉県立犢橋高校とは? かつて牧場だった場所に…

  2. 7

    自民党は戦々恐々…公明党「連立離脱」なら次の衆院選で93人が落選危機

  3. 8

    今オフ日本史上最多5人がメジャー挑戦!阪神才木は“藤川監督が後押し”、西武Wエースにヤクルト村上、巨人岡本まで

  4. 9

    万博協会も大阪府も元請けも「詐欺師」…パビリオン工事費未払い被害者が実名告発

  5. 10

    ドジャース佐々木朗希の抑え起用に太鼓判も…上原浩治氏と橋本清氏が口を揃える「不安要素」