支えられないと立てない。触れられると激痛…夫に何度も当たった
痛みの程度は、ナイフで深くひと刺しされ、その傷口にプロボクサーから強烈なパンチを当てられている……と言ったら想像がつくでしょうか。普段泣かない私なのに、滝のように涙が流れてくるのです。モニターを見ている医師も、最初は2人だったのが、「○○先生、呼んできてくれる?」「◇◇先生、来られるかな?」という言葉が行き交い、最終的には15人ほどに増え、すし詰め状態になっていました。
「慢性炎症性脱髄性多発神経炎」という病名が告げられたのは、入院していつくらいのことだったか……。大量のステロイドを投与する治療を受け、その副作用で一気に30キロ太りました。検査、治療、リハビリと、入院生活は2カ月に。産まれたばかりの娘に対し、顔を見るくらいはできても、抱くこともミルクをあげることもできませんでした。
■慢性炎症性脱髄性多発神経炎 末梢神経に炎症が起こり、「手足の力が入りにくい」「感覚がわかりにくい」「しびれる」などをきたす病気。はっきりとした原因はわかっていない。ステロイド療法、免疫グロブリン療法、血液浄化療法が行われるが、治療後も再発と寛解を繰り返したり、慢性に進行したりすることがある。