著者のコラム一覧
東敬一朗石川県・金沢市「浅ノ川総合病院」薬剤部主任。薬剤師

1976年、愛知県生まれの三重県育ち。摂南大学卒。金沢大学大学院修了。薬学博士。日本リハビリテーション栄養学会理事。日本臨床栄養代謝学会代議員。栄養サポートチーム専門療法士、老年薬学指導薬剤師など、栄養や高齢者の薬物療法に関する専門資格を取得。

避難所ではなるべくトイレに行きたくないなら…利尿剤の中止も考慮する

公開日: 更新日:

 脱水を起こさないためにはしっかり水分を摂取することが重要なのですが、かといって衛生状態の悪いトイレを頻繁に使用するのも感染症のリスクとなります。衛生環境がある程度改善されるまでは、利尿薬の服用を中止するというのも考慮してよいかもしれません。

 避難所での生活では、食生活も普段とは大きく変わります。支援物資で届けられる食事の多くはパンやカップ麺、おにぎりなどの炭水化物が主体です。また、避難所生活では食事摂取量が減るケースもあります。糖尿病クスリを使っている場合には、そういった食生活の変化を考慮しなければならず、特に低血糖には注意が必要です。そのため、低血糖リスクの高いクスリの服用・使用を中止することも考えなければなりません。

 最も重要なのは、こういった判断は個人では絶対に行わず、必ず医療従事者の指示に従わなければならないということです。実際、東日本大震災のときには医療支援チームの医師と相談したうえで、そうしたクスリの調整を行いました。

 大規模災害時であっても、医療は可能な限りみなさんの力になれるような体制を整えています。何か困ったことがあれば、我慢せず遠慮なく申し出ましょう。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高嶋ちさ子「暗号資産広告塔」報道ではがれ始めた”セレブ2世タレント”のメッキ

  2. 2

    フジテレビ「第三者委員会報告」に中居正広氏は戦々恐々か…相手女性との“同意の有無”は?

  3. 3

    大阪万博開幕まで2週間、パビリオン未完成で“見切り発車”へ…現場作業員が「絶対間に合わない」と断言

  4. 4

    兵庫県・斎藤元彦知事を追い詰めるTBS「報道特集」本気ジャーナリズムの真骨頂

  5. 5

    歌手・中孝介が銭湯で「やった」こと…不同意性行容疑で現行犯逮捕

  1. 6

    大友康平「HOUND DOG」45周年ライブで観客からヤジ! 同い年の仲良しサザン桑田佳祐と比較されがちなワケ

  2. 7

    冬ドラマを彩った女優たち…広瀬すず「別格の美しさ」、吉岡里帆「ほほ笑みの女優」、小芝風花「ジャポニズム女優」

  3. 8

    佐々木朗希の足を引っ張りかねない捕手問題…正妻スミスにはメジャー「ワーストクラス」の数字ずらり

  4. 9

    やなせたかし氏が「アンパンマン」で残した“遺産400億円”の行方

  5. 10

    別居から4年…宮沢りえが離婚発表「新たな気持ちで前進」