肺がん治療の今(2)「組織型」「遺伝子変異」「免疫チェックポイント」でオーダーメード治療

公開日: 更新日:

 肺がんには、組織型という分類がある。組織型ではまず非小細胞肺がんと小細胞肺がんに分類され、非小細胞肺がんはさらに腺がん、扁平上皮がん、大細胞がんに分類される。どれに該当するかでできる部位や性質が異なる。かつては組織型によって、治療方針が決められていた。

 この5~10年で肺がんの治療成績が向上したのは、治療方針を決めるための情報が「組織型」「遺伝子変異」「免疫チェックポイント」と増えたことが大きい。それらに対応する薬の登場で、患者の肺がんにより合ったオーダーメードの治療ができるようになったのだ。まずは遺伝子変異から説明したい。

 岐阜県にある中部国際医療センター肺がん治療センター長の樋田豊明医師(呼吸器内科部長)が言う。

「最近の研究で、がんに特有の遺伝子変異があることがわかってきました。遺伝子変異によってがん細胞が発生し、増殖する。言い換えれば、元の遺伝子変異に作用する薬を用いれば、がんの発生や増殖を止めることができるのです。そうやって開発されたのが肺がんの分子標的薬です」

最新の健康記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    ロッテ佐々木朗希 日本では「虚弱体質」の烙印も…米球団むしろプラス評価でゾッコンの理由

    ロッテ佐々木朗希 日本では「虚弱体質」の烙印も…米球団むしろプラス評価でゾッコンの理由

  2. 2
    悠仁さま「東大合格」の逆風になりかねない宮内庁“3年前の痛恨ミス”…トンボ論文の信頼性に影響も

    悠仁さま「東大合格」の逆風になりかねない宮内庁“3年前の痛恨ミス”…トンボ論文の信頼性に影響も

  3. 3
    焦る小池知事は都知事選「公務優先」もマユツバ…連日のしたたか演出で組織固めに没頭中

    焦る小池知事は都知事選「公務優先」もマユツバ…連日のしたたか演出で組織固めに没頭中

  4. 4
    ヤクルト畠山コーチが突然の退団 原因は金銭トラブルか…水原一平事件では「畠山は大丈夫か?」との声が

    ヤクルト畠山コーチが突然の退団 原因は金銭トラブルか…水原一平事件では「畠山は大丈夫か?」との声が

  5. 5
    どうするドジャース? 佐々木朗希の獲得に暗雲…他29球団は怒り心頭、さらに膨らむ恨み憎しみ

    どうするドジャース? 佐々木朗希の獲得に暗雲…他29球団は怒り心頭、さらに膨らむ恨み憎しみ

  1. 6
    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

  2. 7
    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8
    なぜ大谷はオールスターで「最多得票」を取れないのか…圧倒的成績を残しながら首位と26万票の大差

    なぜ大谷はオールスターで「最多得票」を取れないのか…圧倒的成績を残しながら首位と26万票の大差

  4. 9
    杉咲花「アンメット」大絶賛 次期フジ月10杉野遥亮「マウンテンドクター」への期待と不安要素

    杉咲花「アンメット」大絶賛 次期フジ月10杉野遥亮「マウンテンドクター」への期待と不安要素

  5. 10
    佐々木希、三田寛子…我慢したのは“サレ妻”だけでない!太川陽介、立川志らく“シタ妻”を許した男の矜持

    佐々木希、三田寛子…我慢したのは“サレ妻”だけでない!太川陽介、立川志らく“シタ妻”を許した男の矜持