世界初の週1回持続型インスリン注射は糖尿病患者にどんな変化をもたらす?

公開日: 更新日:

 世界で初めて、週1回の皮下注射でインスリンの基礎分泌を補う超長時間作用のインスリン製剤が年内にも登場するという。どのような薬で、どんな人にメリットがあるのか? 糖尿病専門医で「しんクリニック」(東京・蒲田)の辛浩基院長に話を聞いた。

 現在使用されているインスリンは作用時間の違いにより2種類に分かれる。食事による血糖上昇を抑える「速効型」と、一日を通して長時間血糖を安定させる「持続型」だ。これまでの持続型は長くても36時間程度で、患者は1日1回か2回注射する必要があった。

 しかし、今年5月31日の厚労省薬事審議会・医薬品第一部会で承認され、年内の発売が期待される新インスリン「イコデク」(商品名:アウィクリ)は、作用時間が大幅に延び、1週間に1度の注射が可能になるという。

「1型はもちろん、仕事や在宅療養中で毎日の注射が難しい重度の2型糖尿病の患者さんなどに朗報です。とくに日本では糖尿病を抱え、認知症も併発している高齢者は増加する一方。毎日1回もしくは2回の基礎分泌を補うためのインスリン注射をサポートするのは家族や介護士、それに医療従事者にとって大仕事です。なかには必要な注射を十分行えず、血糖コントロールが十分できないケースもあります。週1回インスリン注射の登場は、これらの患者さんの治療負担感を軽減させ、生活の質の向上につながるうえ、治療の質もアップすると考えられます」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    農水省「おこめ券」説明会のトンデモ全容 所管外の問い合わせに官僚疲弊、鈴木農相は逃げの一手

  2. 2

    早瀬ノエルに鎮西寿々歌が相次ぎダウン…FRUITS ZIPPERも迎えてしまった超多忙アイドルの“通過儀礼”

  3. 3

    2025年ドラマベスト3 「人生の時間」の使い方を問いかけるこの3作

  4. 4

    武田鉄矢「水戸黄門」が7年ぶり2時間SPで復活! 一行が目指すは輪島・金沢

  5. 5

    松任谷由実が矢沢永吉に学んだ“桁違いの金持ち”哲学…「恋人がサンタクロース」発売前年の出来事

  1. 6

    大炎上中の維新「国保逃れ」を猪瀬直樹議員まさかの“絶賛” 政界関係者が激怒!

  2. 7

    池松壮亮&河合優実「業界一多忙カップル」ついにゴールインへ…交際発覚から2年半で“唯一の不安”も払拭か

  3. 8

    維新の「終わりの始まり」…自民批判できず党勢拡大も困難で薄れる存在意義 吉村&藤田の二頭政治いつまで?

  4. 9

    日本相撲協会・八角理事長に聞く 貴景勝はなぜ横綱になれない? 貴乃花の元弟子だから?

  5. 10

    SKY-HI「未成年アイドルを深夜に呼び出し」報道の波紋 “芸能界を健全に”の崇高理念が完全ブーメラン