世界初の週1回持続型インスリン注射は糖尿病患者にどんな変化をもたらす?
■効果と安全性に問題なし
新たなインスリン注射薬は病状の軽い糖尿病患者にもメリットをもたらす可能性があるという。
「糖尿病が疑われながら治療しない人、治療しているのに血糖コントロールがうまくいかない人の中には、毎日のインスリン注射の煩雑さをイメージして、治療を忌避する人が少なくありません。しかし、高血糖が続く人の膵臓はインスリンを分泌させるために無理やり働き続けている状態です。その結果、徐々にインスリン分泌量は少なくなり、やがてまったく出なくなる。ですからインスリン分泌量が少ない人は早い段階から持続型インスリン注射を行った方がいい場合が少なくありません。膵臓の負担が軽くなり、その働きを回復させれば、経口血糖降下薬だけとなる場合もあるのです」
気になる効果と安全性はどうか?
今回の承認申請につながった第3相試験「ONWARDS試験」は、1型と2型糖尿病患者4000人以上が参加した6つの臨床試験から構成されている。うち4つの試験には400人以上の日本人患者が参加している。