著者のコラム一覧
古谷彰子愛国学園短期大学准教授

早稲田大学大学院卒。早稲田大学時間栄養学研究所招聘研究員、愛国学園短期大学准教授、アスリートフードマイスター認定講師。「食べる時間を変えれば健康になる 時間栄養学入門」「時間栄養学が明らかにした『食べ方』の法則」(ともにディスカヴァー・トゥエンティワン)などがある。

【オイルサーディン】オメガ3脂肪酸が豊富で朝食べると元気に活動できる

公開日: 更新日:

 オイルサーディンは、小型のイワシをオリーブオイルなどの油に漬け込んで保存した食品で、世界中で広く親しまれています。その歴史は、18世紀のヨーロッパにさかのぼります。「サーディン」という名前は地中海のサルデーニャ島に由来しており、この地域で多くのイワシが取れたことから名付けられました。

 オイルサーディンの缶詰が最初に作られたのは、19世紀初頭のフランスです。ナポレオン戦争の時代、軍の食糧として長期保存が可能な食品が求められており、その解決策として缶詰が発明されました。この技術は急速に広まり、オイルサーディンは長期保存が可能で栄養価が高いため、瞬く間に一般家庭にも浸透していったのです。戦時中の兵士の携帯食や遠洋漁業の船員の食糧としても重宝されていた記録があります。

 日本で本格的に普及したのは20世紀に入ってから。日本近海でもイワシの漁獲が盛んだったことから国内生産も増え、1923年の関東大震災の折、救援物資に缶詰が用いられたことを機に庶民に普及。一般的な保存食のひとつとして定着したそうです。

 そんなオイルサーディンには心血管系の健康を促進、血中コレステロール値を改善する効果のあるオメガ3脂肪酸(DHA、EPA)が豊富に含まれています。オメガ3脂肪酸の1日の目標摂取量は成人女性1.62~1.99グラム、成人男性が1.92~2.23グラムです。メーカーによっても違いますが、オイルサーディンの缶詰1缶には約1.5グラムのオメガ3脂肪酸が含まれているため、1日の目標量に近い値を1缶で取ることができます。

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