胸のつかえが治まらない…逆流性食道炎だと思っていた、食道の「カビ」だった!

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腸粘膜のバリアー機能が低下するとさまざまな組織で炎症

 しかし命に関わらないとはいえ、「免疫の要」「第2の脳」とも言われる腸でカンジダ菌が異常増殖した場合も問題だ。

「腸カンジダ症になると、カンジダ菌は腸に菌糸を張って根付くため、腸の粘膜が荒れます。すると下痢、腹痛、腹部膨満感などが起こりやすくなります。さらに、腸の粘膜は栄養素の吸収という機能の一方で、病原体の侵入を防ぐバリアー機能の中心を担っています。腸粘膜の荒れでバリアー機能が低下すると、本来は腸の中だけでとどまっていた異物が体内へ流れ込み、さまざまな組織で炎症が起こるのです」

 次に挙げるのは、腸でカンジダ菌が異常増殖し、炎症が広がっていることが疑われる症状だ。

・ずっと疲れが取れない
頭痛、めまいが起こり やすい
・寝起きが悪い
・体の節々や筋肉が痛い
・お腹の調子が悪い
・月経不順、月経困難症 がある
・皮膚のかゆみ、発疹が ある
・アレルギー症状がある
・ゲップやオナラのにお いがひどい

 心療内科医である姫野院長が着目しているのは、腸カンジダ症が脳に及ぼす影響だ。

「私の患者さんにはうつ症状や不安障害、集中力低下、イライラ感といった精神症状を呈する方が多数います。薬物療法、精神療法、行動療法など一般的な心療内科での治療を行ってもなかなか改善が見られなかったり、改善してもまたすぐ悪くなる方も少なくありません。エビデンスレベルの高い複数の治療を試していく中で、腸と脳はつながっている『脳腸相関』に行き着きました。腸の環境を良くしなければ、精神疾患は良くならない。腸内環境を整える上で、カンジダ菌は無視できない存在です」

 脳腸相関は、自律神経、ホルモンやサイトカインといったものを介して脳と腸が密に関連していることを指す。ストレスを感じたらお腹が痛くなるように、脳の思考や感情が腸の機能に影響を及ぼし、また腸の状態が脳の働きにも影響を与えるという相互作用の関係にある。

「腸にカンジダ菌がいること自体は問題ではない。増やさないことが大事なのです。対策としては食事への注意です。甘いものや小麦製品、乳製品を控えてください。糖質はカンジダ菌のエサになります。また発酵食品も、カビであるカンジダ菌を増やす原因になるので、腸カンジダ症と診断された時は、しばらく避ける。カンジダ菌の殺菌作用がある中鎖脂肪酸という油(MCTオイルなど)や、ハーブ類・スパイス類を日常的に取ることもお勧めします」

 体内のカビが気になるなら、消化器科で調べてもらうという手もある。

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