耳掃除には要注意! 耳の中がカビだらけになる「外耳道真菌症」の危険あり
耳掃除が日々の習慣になっている人は少なくない。ただ、こすりすぎて耳の中が傷つくと、カビが繁殖して思わぬトラブルにつながるリスクがある。自治医科大学付属さいたま医療センター耳鼻咽喉・頭頚部外科教授の吉田尚弘氏に聞いた。
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「外耳道真菌症」という耳の病気がある。「外耳道」と呼ばれる耳の入り口から鼓膜を結ぶトンネル内に、空気中に存在するカビ(真菌)が繁殖することで発症する。
「皮膚は体の部位によって厚さが異なり、中でも『外耳道』は厚さが0.1~0.2ミリと非常に薄い。綿棒や耳かきで過度にこすると傷がつき、皮膚のバリアー機能が低下してジクジクとした滲出液が出ます。さらに外耳道の奥には鼓膜があり、行き止まりになっているので、換気が非常に悪い。カビにとって好条件となる高温多湿な環境がつくられることで、空気中のカビがすみ着いて繁殖していくのです」
耳の強いかゆみや痛みの症状が現れ、耳の中を診察すると白いカビの菌糸や黒い胞子が綿花のように付着しているのが見えるという。さらに、耳がかゆいからといって綿棒で繰り返しこすると、胞子はさらに耳の奥へと押し込まれて鼓膜の表面を塞ぎ、耳閉感や聞こえの悪さを引き起こす。