似て非なる現在の日経平均株価…34年前のバブル最高値と比べるのは無意味
その結果、それまでは年1銘柄程度の入れ替えだったが、91年に6銘柄が入れ替わったのを皮切りに、2000年には一挙に30銘柄(全構成銘柄の13%強)もの大規模な入れ替えが行われたものだ。三井鉱山や東京製綱などのオールドエコノミー銘柄は外され、東京エレクトロンやファナックといった値がさのハイテク株が多く採用された。
その後も毎年銘柄入れ替えが繰り返され(23年は6銘柄)、そのため日経平均の連続性が薄れ、遠い過去との比較は意味のないものになっている。
こうやって何とか日経平均を押し上げようと、東証などは“工夫”してきたのだが、では人為的に無理をしているのかというと、そんなことはない。現在の日経平均採用銘柄の株価収益率(PER)は16倍程度だが、89年12月末には何と60倍超もあった。また株価純資産倍率(PBR)も、現在は1.4倍なのに、89年末には5.4倍であった。この指数で分かるように、89年の株バブル期と比べると現在の株価水準はずっと割安ということになる。だから、相場に過熱感も熱狂もないのである。最高値3万8915円は、単なる通過点ではないだろうかとみている。 (丸)