似て非なる現在の日経平均株価…34年前のバブル最高値と比べるのは無意味
岸田内閣や自民党のテイタラクをよそに、日経平均株価(日経平均)は年初から急騰を続け、一気に3万7000円台に突入している。
これをもって、メディアでは「バブル後の最高値更新」とか「34年前の1989年12月末に記録した史上最高値3万8915円を超えられるか」と騒ぎが続いている。
しかし、当時から証券界に身を置いてきた者としては、34年前と現在の株価を比較することに違和感を覚える。ハッキリいえば、「ナンセンス」と思ってしまうのだ。
なぜなら、「1989年の日経平均」と「現在の日経平均」はほとんど別物なのである。つまり、225の構成銘柄は、当時と比較して3分の2以上が入れ替わっているのだから、単純な指数の比較は無理な話なのだ。
構成銘柄の入れ替えは、1990年までは企業が倒産したり(例えば84年のリッカー、85年の三光汽船など)、合併で消滅した場合のみ補充するというものだったが、91年からは新しいルールが導入され、流動性が低い銘柄の除外と新銘柄の補充が加わり、市場全体の新陳代謝や世代交代を反映するようになった。