LIXILが今度は48億円の損失計上…潮田前会長の負の遺産にいまだ苦しむ
住宅設備大手のLIXILが潮田前会長の負の遺産に苦しんでいる。同社は1月22日、2023年10~12月期の連結財務諸表で過去の子会社売却に関連して48億円の損失を計上すると発表した。
この子会社はLIXILが20年9月に売却したイタリアの建材会社ペルマスティリーザで、売却後のキャッシュフローが一定の条件を満たした場合、買い主から最大1億ユーロ(23年3月末時点で145億円)の資金返還を受ける契約となっていたが、業績の悪化に伴い返還額が想定を下回った。このペルマスティリーザを買収した張本人こそLIXIL創業家のひとり、前会長の潮田洋一郎氏に他ならない。
LIXILグループは潮田氏の父親である潮田健次郎が創業したトステムと、INAX、新日軽、サンウエーブ工業、東洋エクステリアの5社が統合して誕生した会社だ。その潮田洋一郎氏が会長時代に連れてきたのが、プロ経営者として名声の高かった瀬戸欣哉氏だった。
だが、ワンマンの潮田氏は、18年に突然、瀬戸氏を解任した。しかし、この解任劇が不透明だとして株主である投資ファンドなどが異議を申し立て、プロキシーファイトの結果、逆に潮田氏が切られ、19年6月に瀬戸氏が社長兼CEOに返り咲くというどんでん返しがあった。