アジア大会“心配のタネ”…ジャカルタには危険がいっぱい
「正直なところ、選手たちの成績より、そっちの方が心配ですよ」
18日にジャカルタで開幕するアジア大会。選手を送り出す競技団体関係者が「そっち」と言うのは現地でのトラブルだ。
イスラム教徒が多いインドネシアは世界第4位の2億5500万人の人口を誇る大国。首都ジャカルタは、都市圏人口3200万人を有する大都市だが、今も外国人をカモにする悪質なタクシーが存在し、繁華街やバスの中には集団スリやひったくりもいる。ホテルのロビーでは置き引きが後を絶たない。都市部の渋滞はひどく、交通マナーも悪いため事故に巻き込まれる日本人も珍しくない。
前出の関係者が言う。
「本来なら異国での国際大会ですから、選手たちには異文化に触れてもらったり、多くの友人をつくって欲しい。でも、我々は2年後の東京五輪でメダル量産を課せられている。例えば、屋台で食事して体調を壊すこともある。スリやひったくりと揉み合ってケガすることもないとは言えない。繁華街などで事件に巻き込まれたら五輪の出場がアウトになるかもしれない。2年前からインドネシア各地ではテロ事件が多発している。人が集まり、注目度の高いアジア大会はテロの標的になりやすいとの情報もある。ジャカルタ中心地の北にある選手村から一歩も外へ出るなというのも酷な話だが、防げない事件、事故もありますから」