エース上野酷使の限界…東京五輪ソフト金は若手育成が急務

公開日: 更新日:

 米国の壁は厚かった。

 12日、世界女子ソフトボール選手権決勝で米国に6―7でサヨナラ負け。4年ぶりの王座奪還とはならなかった。

 先発に起用された上野由岐子(36)は決勝前まで6試合で防御率0.00。しかし、三回に逆転3ランを打たれて初失点を喫すると、タイブレークに入った十回裏に痛恨の3失点。今大会550球目で力尽きた。

「何とか期待に応えたかったが、申し訳なかった」と話した上野は、決勝の3時間半前に終了したカナダとの3位決定戦にも先発し、87球7回無失点。敗者復活で決勝に進出したが、さすがに疲労困憊だった。

 36歳のベテランがここまで酷使されるのは、エースの後進育成が滞っているからだ。今大会では勝股美咲(18)や藤田倭(27)らの若手も先発したものの、上野を脅かすには至らない。北京を最後に五輪競技から外れたことも育成速度を遅らせた。

 11日の準決勝で米国に負けた際、宇津木麗華監督は「上野を投げさせれば勝っていたかもしれないが、上野以外の投手をつくらないと2020年にはつながらない。(先発の藤田に)『上野はいないと思って投げてほしい』と伝えた」が、結局、困ったときの上野。5人の継投策を講じた米国とは対照的だった。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…