楽天3位・藤井聖は負けん気十分 転機は母のがんと闘病生活
藤井聖(投手・24歳・ENEOS)=楽天3位
現在は神奈川県相模原市に暮らす母・紀代子さん(55)が大病に見舞われたのは、藤井が小学5年の時だった。
「『虚弱体質』って言うんですかね、もともと体が丈夫な方ではありませんでした。それに、聖が1歳の頃から正社員として営業関係の仕事をしていたので、少年野球の応援にはあまり行けませんでした」(紀代子さん)
目まいや胃の不調などで、病院で診察を受けることが多かったそうだ。
「胸にしこりがある感じがすると思ったので、いつもの診察のついでに(病院の)先生に診てもらったんです。超音波でみたら、『これは(がんが)あるな』と。大きな病院を紹介されて、精密検査をしたら、やっぱり乳がんでした」(紀代子さん)
病巣の進行具合はステージ2Bだった。治療を開始してから5年後の生存率は80%を下回る。
紀代子さんは手術を決断し、放射線治療や抗がん剤を含めた闘病生活が始まった。
「抗がん剤を使ったのは約半年でした。副作用で吐いたりしたのは最初の頃だけですよ。ですが、体がものすごく重くて、手すりがないと歩くのも大変な状態。放射線治療で髪は抜けますし、子供たちはショックだったでしょうね。完治まで5年ほどかかりましたが、今は問題なく過ごせています」(紀代子さん)