大関・御嶽海に協会やきもき 異例の“2場所連続カド番”でも「いてくれなければ困る」理由
細く長くでも、いないよりはいい。
カド番だった先場所は所属する出羽海部屋からコロナ感染者が出たことにより途中休場となった大関御嶽海(29)。休場を発表した日まで2勝4敗と黒星先行だったが、事情が事情だけにカド番のまま、大関に据え置かれた。11日の9月場所初日は初顔合わせの翠富士に快勝し、カド番脱出に向けて白星発進。一日でも早く、勝ち越しを決めたいはずだ。
その気持ちは相撲協会も同じだという。将来の横綱候補として期待しているーーからではない。
親方のひとりが言う。
「横綱と大関の全滅だけは勘弁ですからね。横綱照ノ富士(30)は今、土俵で一番強いけど、両膝のバクダンが怖い。本人も『太く短く』と話しているように、だましだましやって現役を長く……というタイプではない。そこにきて、他の大関も不甲斐ない。正代(30)は負け越しと勝ち越しを順に繰り返しているが、歯車が狂って関脇に転落となれば、もう大関には戻ってこれないでしょう。貴景勝(26)はとにかくケガが多く、押し相撲一本という安定感に欠ける取り口もあって、こちらも地位が危うい。そこにいくと御嶽海はこれといった大きな故障はなく、やる気がある時は誰よりも強い。ある意味で大関陣の頼みの綱です」